第5話「“装飾だけのPowerPoint”を討て!〜言葉で語れ、意志で動け〜」

天下布武のDX戦略

冒頭:美しさの裏に、何がある?

――織田信長、令和の企業に甦る。
ある日、部下が申した。

「今回の提案、パワポにまとめました!」

開いてみれば、美しいデザイン。
アニメーション。配色も洗練されておる。
だが……中身は?

「To Be Discussed」
「方向性のご相談」
「一旦、全体観だけ共有」

ワシは静かに問うた。

「で、そなたの“意志”はどこにあるのじゃ?」

第壱章:美しさに逃げる“PowerPoint信仰”

ワシが現代の戦場で目にしたのは、以下のような姿じゃ。

  1. スライドを作ること自体が“仕事”になっている
  2. 図やグラフで“なんとなく分かりやすそう”に見せる
  3. 肝心の考察や提案が、言葉として現れていない
  4. “見せ方”にこだわるあまり、思考が浅くなる

これはまさに**“化粧だけで出陣する武将”**よ。
鎧が光っておっても、中身が空なら戦には勝てぬ。

第弐章:信長流・資料改革の令

ワシが掲げたのは、「形より“意志”」の旗印。

一、スライド作成の“起点”を変えよ

  • 最初に書くのは「この提案で何を決めたいか
  • “伝えたいこと”を言語化してから、構成や図に落とし込む
  • スライドは意志を伝える刀であって、飾り扇ではない!

二、図やデザインは“補助兵”に過ぎぬ

  • 図やグラフは論点を深めるために使う
  • 「なんとなく伝わればいい」図は禁止
  • スライド1枚につき、“主語+動詞+結論”を必ず載せよ

三、資料の最終形は「言葉」である

  • 本当に通したい提案は、A4で1枚に言語化せよ
  • スライドだけで済む話など、ない。話す覚悟が言葉に宿る

第参章:スライドから“意志”が生まれる時

改革の後――

  • 会議で「言いたいことが伝わらない」が激減
  • 「グラフの横に自分の考えを書こう」という文化が生まれる
  • 若手:「考えが浅いとバレるから、最初に思考を固めるようになった」
  • 上司:「装飾に逃げていた自分に気づいた…」と膝をつく者も

ワシは語った。

「PowerPointが悪なのではない。
意志なき者が、それに逃げることこそ、企業を滅ぼすのじゃ」

あとがき:資料づくりとは、“武具を整える”こと

スライドとは、戦に出る前の“鎧”

図は弓、グラフは槍、言葉は太刀

だが、大将に戦う意志がなければ、それらはただの鉄屑

信長は言う。

「スライドに逃げるな。
スライドに“戦う覚悟”を刻め」

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