冒頭:名ばかりの“推進者”よ
ワシ:「“DX推進グループ”?……いかにも強そうな名じゃな」
部下:「はい、昨年度に新設されまして……」
ワシ:「で、何を“推進”したのじゃ?」
部下:「ええと、まず“DXの定義づけ”と、“ロードマップの草案”を……」
ワシ:「……まだ出陣しておらぬのか」
(ナレーション)
名は「DX推進グループ」――
だが、動かぬ。進まぬ。成果は見えぬ。
その正体、多くは「調整係」か「広報部隊」。
これは、名ばかりの推進者が量産される時代への、信長からの問いである。
第壱章:屋号だけで“戦”になるか
DX推進グループ――
その名がついたからとて、誰も剣を抜かぬ。
・専任者は不在
・全員兼任(情シスと総務とマーケから1名ずつ)
・決裁権限はなく
・現場には口を出せず
ワシ:「これは“推進”ではなく“気配り組”ではないか?」
旗は立った。だが、兵はいない。
進軍など、夢のまた夢。
第弐章:資料の山に埋もれし者たち
DX推進グループの日々の業務:
- 他部署の“取り組み報告”を集め
- スライドにまとめ
- 上層部向け“進捗資料”を作成
- 次の会議日程を調整し
- ロードマップを毎月、書き換える
ワシ:「……これは“進捗風の幻”を描く者たちか」
誰も“コード”を書かず、誰も“現場”に入らず。
“DXらしき話”をまとめることに終始する。
第参章:“現場に降りぬ”天守閣の者
DXの成果が見えぬ理由――
現場に降りない。
実証しない。
泥をかぶらない。
ひとたび現場に出れば、課題は山積。
・回線が遅い
・紙の帳票が廃止されず
・管理職はExcel方眼紙を好み
・マニュアルは昭和の遺物
ワシ:「その現場を見ずして、“クラウドを活用する”など、笑止」
第四章:“KPIの盾”で攻撃を防ぐな
推進グループの常套句:
- 「KPIを達成しました」
- 「進捗率80%です」
- 「満足度アンケートでは好評でした」
だが、それは誰のKPIか?
誰が“進んだ”と感じているのか?
ワシ:「兵が倒れておるのに、進軍成功とな? 冗談が過ぎるぞ」
第伍章:信長、推進者の定義を問う
真の“DX推進者”とは誰か?
・現場の課題を体で知り
・技術を持ち
・巻き込み
・汗をかき
・時に叱り、時に担ぎ、共に走る者
それを「一人でも」担う覚悟のある者だけが、推進者と名乗れる。
ワシ:「“進め”と言われてからでは、遅いのじゃ。“誰よりも先に歩いた者”のみが、推進者と呼ばれるのだ」
あとがき:あなたの会社の“DX推進グループ”は、動いているか?
「DX推進グループ」とは何か――
それは、“名札”ではない。動きそのものである。
- 部署横断のチームであれ
- 1人の熱意ある社員であれ
- 社長の覚悟そのものであれ
「まず歩く者」がいなければ、推進にはならぬ。
信長ならこう言うだろう。
「推進の旗などいらぬ。まず、槍を取れ。汗をかけ。戦(いくさ)とは、まず動くことじゃ。」