第15話「DX推進グループとは何者か?」

天下布武のDX戦略

冒頭:名ばかりの“推進者”よ

ワシ:「“DX推進グループ”?……いかにも強そうな名じゃな」

部下:「はい、昨年度に新設されまして……」

ワシ:「で、何を“推進”したのじゃ?」

部下:「ええと、まず“DXの定義づけ”と、“ロードマップの草案”を……」

ワシ:「……まだ出陣しておらぬのか」


(ナレーション)

名は「DX推進グループ」――
だが、動かぬ。進まぬ。成果は見えぬ。
その正体、多くは「調整係」か「広報部隊」。
これは、名ばかりの推進者が量産される時代への、信長からの問いである。

第壱章:屋号だけで“戦”になるか

DX推進グループ――
その名がついたからとて、誰も剣を抜かぬ。

・専任者は不在
・全員兼任(情シスと総務とマーケから1名ずつ)
・決裁権限はなく
・現場には口を出せず

ワシ:「これは“推進”ではなく“気配り組”ではないか?」

旗は立った。だが、兵はいない。
進軍など、夢のまた夢。

第弐章:資料の山に埋もれし者たち

DX推進グループの日々の業務:

  • 他部署の“取り組み報告”を集め
  • スライドにまとめ
  • 上層部向け“進捗資料”を作成
  • 次の会議日程を調整し
  • ロードマップを毎月、書き換える

ワシ:「……これは“進捗風の幻”を描く者たちか」

誰も“コード”を書かず、誰も“現場”に入らず。
“DXらしき話”をまとめることに終始する。

第参章:“現場に降りぬ”天守閣の者

DXの成果が見えぬ理由――

現場に降りない。
実証しない。
泥をかぶらない。

ひとたび現場に出れば、課題は山積。
・回線が遅い
・紙の帳票が廃止されず
・管理職はExcel方眼紙を好み
・マニュアルは昭和の遺物

ワシ:「その現場を見ずして、“クラウドを活用する”など、笑止」

第四章:“KPIの盾”で攻撃を防ぐな

推進グループの常套句:

  • 「KPIを達成しました」
  • 「進捗率80%です」
  • 「満足度アンケートでは好評でした」

だが、それは誰のKPIか?
誰が“進んだ”と感じているのか?

ワシ:「兵が倒れておるのに、進軍成功とな? 冗談が過ぎるぞ」

第伍章:信長、推進者の定義を問う

真の“DX推進者”とは誰か?

・現場の課題を体で知り
・技術を持ち
・巻き込み
・汗をかき
・時に叱り、時に担ぎ、共に走る者

それを「一人でも」担う覚悟のある者だけが、推進者と名乗れる。

ワシ:「“進め”と言われてからでは、遅いのじゃ。“誰よりも先に歩いた者”のみが、推進者と呼ばれるのだ」

あとがき:あなたの会社の“DX推進グループ”は、動いているか?

「DX推進グループ」とは何か――
それは、“名札”ではない。動きそのものである。

  • 部署横断のチームであれ
  • 1人の熱意ある社員であれ
  • 社長の覚悟そのものであれ

「まず歩く者」がいなければ、推進にはならぬ。

信長ならこう言うだろう。
「推進の旗などいらぬ。まず、槍を取れ。汗をかけ。戦(いくさ)とは、まず動くことじゃ。」

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