はじめに:これは合戦か?座禅か?
――ワシの名は、織田信長。
令和に転生し、ある企業のDX戦略責任者として再び天下を目指しておる。
だがある日、家臣(=社員)たちから、こう申され申した。
「本日は週次報告会がございます」
「部門ごとの進捗確認をいたします」
「それぞれ、5分ずつでお願いします」
……始まってみれば、5分は幻。
結局、2時間半。話したい奴が話し、聞いてない奴は魂が抜けておる。
これは、合戦ではない。拷問である。
第壱章:報告会とは、責任のなすりつけ合いである
ワシが見たところ、この会議には三つの害毒が潜んでおる。
① 報告が目的化し、誰も聞いていない
- 「お決まりの報告」=殿様の前での儀式じゃ
- 誰も意見を言わぬ。つまり、それは時間の浪費
② 本質的な議論が起きぬ
- 問題点には誰も触れぬ
- 成果だけを報告し、課題は資料のすみに埋葬されておる
③ 「参加者全員」が集う無駄
- 会議に12人いて、実質的に話すのは3人
- 残り9人は“人質”か?
第弐章:信長流・会議討伐の戦術
ワシは言った。「この“週報の儀”、今すぐ打ち首じゃ!」
会議改革に向け、次の三策を打ち立てた。
一、会議は「決断の場」に限定せよ
- 共有や報告はSlackのチャンネルで済ませよ
- 会議とは「判断を下すための場」なり
二、“3人会議”ルールを導入せよ
- 発言者・意思決定者・議事録者のみが出席
- 他の者はSlackで要点確認
三、目的のない会議は“本能寺送り”
- 議題なし・資料未提出の会議は即キャンセル
- 「毎週やってるから」などと申す者には、茶碗一杯の説教
第参章:焼き払ったその先に
改革から1ヶ月――
- 週次会議 → 月次の**「決断の場」**へ進化
- 社員の声:「あの地獄から解放された気分です」
- 若者が会議を“Slackで完結”させるように
- 上司:「正直、会議ってサボる口実だった…」と白状(泣)
ワシは思う。「合議制」とは聞こえが良いが、
多数決に逃げ、責任を曖昧にする策士の逃げ道にすぎぬ。
意思決定とは、誰かが腹を括り、“ここまでが城”と線を引くこと。
それが“天下布武”なり。
あとがき:スライドに命を懸けるな
最後に一言――
スライドにこだわる者ほど、意志がない。
美しいグラフは、失敗を覆い隠す煙幕。
会議の本質とは、「どうする?」を決めること。
そう、たとえその決断が明智光秀を本能寺に呼ぶような一手だったとしても、な。